アドラー心理学≪目的論②≫

アドラー

感情は心の排泄物である

「感情的になった」と言う事はありませんか?
よくある、たまに、めったにないなど、色々だとは思いますが、少なくとも誰もが1度や2度は感情的になった事はあるのではないでしょうか

アドラーは「感情はライフスタイルの排泄物である」として「不安だから外出できないのではなく、外出したくないから不安を作り出している」「好きだからドキドキするのではない、ドキドキするから好きになる」といっています
感情が行動を起こすのではない、感情は行動を起こすための後押しや起爆剤にはなるが、人は決して感情によって行動することはなく、そこには別の目的が必ず存在するとアドラーは言っています

感情的な行動には、自分が意識できているものとそうでないものがあると思います
意識できているものは感情を自分でコントロールしており、意識していないものは感情を理由に相手をコントロールしようとしているのだと思い、後者が感情的な行動にあてはまるのだと思います
どちらも、感情である怒りや哀しみなどが原因でその行動をしているのではなく、怒っていることで相手をコントロールしたい、泣いてることで自分を受け入れてほしいという、感情とは別の目的を達成するために感情を使っているとアドラーは分析しています

全てがそうだとは言いませんが、怒りの多くは相手をコントロールしようとして使われることが多いのだと思いますし、哀しみは相手に同情されたい時に使われることが多いのかもしれません
「つい怒ってしまう」「思わず涙が」といいますが、それも、感情による怒りや哀しみに原因があるのではなく、その行為によって相手に認めさせたい別の目的があるのだとアドラーは言います

感情を使う事で目的を達成する一番の達人は、赤ちゃんです
赤ちゃんは、泣くという感情のみで自分が欲するすべての要求を大人たちに認めさせていきます
そういった意味では赤ちゃんの存在は人類最強です
良く考えたらすごくないですか、泣くだけで自分が何をしたいのかをわからせる事って
もちろん、赤ちゃんだから可能なんですけど

大人になると、赤ん坊や子供のころのように泣くだけで目的を達成しようとはしなくなります
人は成長すると共に、感情を使うよりもっと目的を達成しやすい方法を覚えていくからです
自分の目的を達成させるには、感情に訴えるよりも自分にとって心地よく、スムーズに行くやり方を見つけていくからだと思います

では、なぜ大人は感情を使う事があるのか
他に方法がないから、或いは、この相手には感情を使うのが有効だと思っているから
何にせよ、大人の対応ではどうにもならないと思ったときに、子供の頃に有効だった感情を使ってしまうのかもしれません
誰もが感情的になっている時は、子供の頃と同じおこちゃま対応をしていると言えるのではないでしょうか
大人になっても感情によって自分を認めさせることは、ちょっと幼稚な行動なのかもしれません

感情は、喜怒哀楽という四文字で表されることがあると思います
喜怒哀楽では、「喜ぶ」と「楽しい」の間に「怒り」と「哀しみ」があります
喜びと楽しさにあふれているときは、「喜」と「楽」が大きいので、間の「怒」と「哀」は小さく目立たないので表には出てこないかもしれません
でも、喜びと楽しさが少ないと、「喜」と「楽」が小さくなり、間の「怒」と「哀」が大きく目立ち始めて表に出てくるのかもしれません
「怒り」や「哀しみ」による感情のままに生きていては、喜びと楽しさを感じる事ができないのではないでしょうか
「怒り」や「哀しみ」の感情によって達成した目的には、喜びと楽しさはついてこないのだと思います

感情には行動を爆発的に進める力があります
感情に左右されるのではなく、感情を自分の中だけで有効に活用して目的を達成してみませんか
自分の心の中で感情をうまく活用できれば、周りに感情的な行動をとる事もなくなるのではないでしょうか
怒りや哀しみの感情を周りにぶつけない目的達成は、喜びと楽しさを感じることができるはずです

感情は自分の心の排泄物です
決して、人にぶつけるのはやめましょう!
相手も自分も汚れてしまうので

感情があふれださないように、毎日心をリセットしましょう
心が落ち着く場所で、大きく息を吐き出して見て下さい

筆者の本
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